材料評価のおはなし
発行:2013/3/22
著者:福田勝巳
感想
文章が非常にわかりやすくてすらすら読めました。
この本は広く浅く材料評価の手法を解説していく本で、自分の中の引き出しを増やすのに役立った気がします。
機械系の仕事をしてる人がさらっと読んでおくと、経験の無い評価が必要になったときに、そういえばあの本で読んだからちょっとだけ知ってるな~と抵抗を減らせるかもしれません。
そもそも手法を知らないと、こうやれば性能確認できそうという発想すら湧かず遠回りしてしまうので引き出しは増やし得です。
※でも、これ一冊読んで何かができるようになるわけではないので、後輩に他の本を差し置いて真っ先におすすめしたりはしないです。
この本で紹介されている評価の中で僕は、X線やSEM(走査型顕微鏡)を使った非破壊検査と、製品の引張試験だけは実際に行ったことがあります。
やっぱり、実際に手を動かしてあれこれ調べながらサンプル加工したり機械を触ったりしたことのある評価の話ならすんなり入ってくるので、理解するには手を動かすのが楽でいいなーと思います。
へ~と思った内容
衝撃試験
振り子に設置した刃付きハンマで試験片を打撃して、試験片を破断した後のハンマの振り上がり角度で吸収エネルギーや衝撃値、破面率から衝撃に対する強度を評価する。
硬さ試験
引っかいて表面を傷つけて、傷の様子を観察する。
圧子(四角やひし形)を押し付けて残ったくぼみの表面積やを測定する。
磁粉探傷検査
強磁性体(鉄、ニッケル、コバルトなどの磁石に強く引き付けられる物質)の表面や表面直下に傷があると、時速が空間に漏洩して傷の両側にN、S極の磁極が発生。磁粉を散布しすると傷の磁極部分に磁粉が吸着され模様ができる。
表面から2~3mm程度の深さまでなら傷の検出が可能。
鉄鋼製品の溶接部の検査や素材の製造・保守検査に使用される。
浸透探傷検査
表面の傷に液体を沁み込ませ、にじみ模様として検出する。
過流探傷検査
材料表面に過電流を流して材料に発生する電磁誘導の変化から傷と深さを検出する。
ぬれ性
水滴を垂らして、液体の表面と水滴と空気との接点を拡大して角度を測定する。蒸発対策で5秒以内に角度測定を行う。
0℃~180℃の間になり、180℃に近い程ぬれ性が悪いといえる。
では