雑談の一流、二流、三流
発行:2020/3/16
著者:桐生 稔
紹介
良い本でした。
全編「三流は~二流は~一流はどうする?」という形式で書かれています。
例えば第一章がこんなかんじです。
”最初のひと言
三流は「今日は暑いですね」からはじまり、
二流は「30℃を超えるそうですよ」からはじまり、
一流は、何からはじめる?”
人間、成功や正解よりも失敗・不正解の方が印象に残って覚えやすいものなので、こうすべきとする例と同時に悪い例も示すことで非常にわかりやすい本になっていると思います。
本屋で立ち読みしておもしろそうな本を探していたときに、そこに惹かれて購入しました。
文章がわかりやすくて、考えにも共感できました。
最近読んだ本「文章力の基本」で体験談が共感を生むという話がありましたが、この本も体験談をたくさん入れていて、具体的な体験談が共感を生むんだな~と改めて感じました。
特別共感した内容
- 人の心を動かすのは「どんなことを伝えるか」より「相手とどんな関係性にあるか」
- 人は自分のことに一番興味があるので、会話の主題は相手にする
- 抽象的な質問より具体的な質問をする。相手が頭を悩ませなくて済むので心地よい空間を作れる
- 話を被せない
「~した」→「私も~した」より「わ~すごい」 - あえてマイナスをカミングアウトする。無難キャラ、万能キャラよりエッジの利いたキャラになる
あんまり意識していなかったちょいテク
- あいさつに2ワードプラスする
- あなたに会えて嬉しいを表情だけで表せるようにする
- 褒めるポイントが見つからないときは過去と比較する
例:30点の答案でも以前に20点だったなら成長している - 共通点が見つからないときは相違点をおもしろがって聞く
- 「すごいですね」→「しびれる」「オーラがある」など一段上の言葉を使ってバリエーションを出す。「すごいですね」だけでは薄っぺらい。
- ネガティブな話題は同調するだけでなく、受け止めてから承認する。
「腰痛」→「大変、でもそんなに頑張って凄いですね」 - 例え話を使うことでダラダラ話さず済む
- 聴衆に話すときは、一人何役もしたり、一人質問したりして文章→映像にする。だらだら話すと飽きられる。
- 褒めるとき抽象的な褒め方より具体的な褒め方をする
- 別れのとき続きが気になるフレーズを残して去る
本全体を通して
学生時代は僕も、相手主体で話すなんて自然体じゃない、顔色を伺うなんてダサい、大袈裟な相槌を打つなんてダサいと思っていたんですが、社会人になってから大分変りました。
やっぱりお互いが気持ちよく話せる話し方をして良い関係性を築けた方がWinWinで自分にとっても得なんですよね。
それに好きという感情が相手を想う行動につながることもあれば、相手を想う行動をすることが相手のことを好きになるきっかけになることもあります。
果たして好きでも嫌いでもない相手を思いやって会話することは不自然な行動なのでしょうか?
大袈裟な行動も感情が後からついてくることを考えると、実は不自然ではないのかもしれません。
しかし、僕は捻くれた根暗なので実際に会うときはハードルを下げに下げて下げて下げて下げておいてください()。
あと、自分の話したいことをガンガン話すオタクもそれはそれで僕は好きです。