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任せ方の教科書

任せ方の教科書

発行:2013/11/22
著者:出口治明
1948年生まれ(47歳上)
京大法学部→日本生命(ロンドン現地法人社長、国際業務部長)→ライフネット生命創業(2008年)→大学学長(2018年)

感想

ここ数か月の内に読んできた本で一番凄いと思いました。
要約
上司の能力は限度があり、細かく管理できるのは多くて2,3人。それ以上の部下の仕事には目が届かないので報告ベースで判断をすることになるが、そうすると正しい判断ができない。(上司が気に入るような報告をされてしまうため)
しかし、100人分の成果を出すには100人に仕事を任せないといけない。
これを前提として、権限を与えて仕事を任せることを勧めています。
権限があることで、部下は上司の許可を得なくても自分で判断できるようになり、100人で100人分の成果を出すことができるようになります。

今思うと、自分の会社もそういうシステムになっているし、マネジメントを勉強されている方は当然昔から意識していることなのかもしれませんが、僕は権限という概念を今まで意識せずに仕事していたので、読んで仕事や社会に対する認識が変わりました。
自分の仕事に当てはめると、仕事を任されるときに自分にはどこからどこまでの権限があるのか意識すれば、どこまでを自己判断で進めて良いかわかりやすいし、仕事を任せるときも権限をはっきりさせれば、守備範囲が曖昧で何となく自分が仕上げてしまう事態を避けられそうなので、権限を意識すればだいぶ仕事が進めやすくなりそうなイメージが持てます。
著者には他にもいろいろ著書があるようで、Wikipediaを見たら『人生を面白くする 本物の教養』という本がさらに売れているらしいので、今度読んでみようと思いました。
また、本の中で下記の古典も薦められていて、それらも読んでみようと思いました。
方法序説デカルト
アメリカのデモクラシー」アレクシス・トクヴィル
「想像の共同体」ベネディクト・アンダーソン
韓非子」韓非
「二コマコス倫理学アリストテレス

 

 ピックアップ

判断は決定権を持つ人が一人でするべき
協議の際のまわりの意見は参考。決定は一人でする。
重要性によっては同意権を与える。
しかし同意権は強い機能で乱発すると仕事が進まないので限定が必要。
課長の決定に部長は口を出してはいけない
そうしないと課長は安心して仕事できない。
全ての事案で相談していては時間がかかる。
部長に叱られるのを避けるようになる。
”的確な指示”とは双方向コミュニケーション
上司は具体的に指示し、部下は腑に落ちるまで内容を確認する。

報連相は上司から行う
自分からしてくるのはゴマすり部下。どうした?と上司が声をかけることから報連相が始まる。

任せるときは下記をはっきりする
①期限
②優先順位
③目的・背景
④アウトプットのレベル
これは僕も重要だと思います。

責任を負わせる
50点の成果物が出てきたら、自分で手直しして80点にしようとせず、やり直しさせて60点以上にする。そうしないと部下は成長しない。

過去著者は部下の相談には乗らなかった
部下の方が仕事の範囲が狭いから深いと判断した。
ただし、案Aと案Bどちらが良いでしょうか?という相談には乗る、答えを聞きに来た部下は相手にしない。
安易に相談に乗ったり手直しすると育たない。

サボる部下がいたら仕事を与えていない上司の責任
部下を退屈させないために適度に仕事を任せる。
めちゃめちゃ共感しています。
かといって必要のない仕事を生み出して、サボらせないようにしようなんて発想にならないように注意しないといけません。
人がサボっていても気にせず成果が出せているかどうかだけ見るのが良いんじゃないかなと僕は思っています。

プレーイングマネージャーを置いてはいけない
人間の能力は高くないので、80点を取りながら部下に60点を取らせるのは難しい。

仕事を抱えてしまう上司の共通点
①人間の能力と時間の有限性に気づいていない
②部下の60点に納得できない
③判断が遅い

求心力を持つには
①上司を好きにさせる
②圧倒的な能力の違いを見せる
③必死え働いている姿を見せる
一番簡単なのは③。

価値観
ルーチンワークで自分の力を発揮したい」「マネージャーレベルの責任は任されたくない」という人にマネージャーを任せるのは価値観の押し付け。得意を伸ばす。

サボる社員が必要
2・6・2の法則。
下2割を排除しようとする上司は社会のしくみがわかっていない。

リーダーの条件
①強い思い
②共感力(共感してもらう力)
③統率力(大丈夫か?と声をかけたり、丁寧なコミュニケーションを取ること)

外注
自前主義では社会の動きに追随できない。しかしコアコンピタンス(付加価値の高いところ)は外注しない。