遊戯王書いてく。

遊戯王1103環境のゲートボールの記事を書いています

最近読んだ本 4冊

おもしろい本をいろいろ読めました。 

 

ビジネスにうまい文章はいらない

発売日 ‏ : 2018/5/11
☆4

文章を素早く書くためには素材集めが大事で座って悩んでいても良い文章は書けない
読み手をしっかり想像して書くことが大事と説いています。その通りだと思います。

メモ

・うまく書こうという意識は文章に出てしまう。「オレはうまい」「良い文が書ける」という思いは読み手にバレる
・新聞でよく使われる慣用句や紋切り口調のようなわかったようでわからない言葉は不要。
・書くのに時間がかかるのは準備ができていないから。言葉を捻りだそうとせず文章の素材を集める。
・記者が取材するのは素材集めのため。十分な素材がなければプロでも良い文章は書けない。
・誰に向けて書くのかを考える。相手がわかれば準備しやすい。
・形容詞を使わない。言葉を捻りだそうとするのは形容詞を使おうとしている時が多い。良い会社素晴らしい会社→ボーナスが出る会社など具体的に
・メールはライトで良い
・メールで達成したい目的を定める
・型を作る
・相手が文章を読みたくないと想定して書く。(結論から書く、たらたら書かないなど)
・お願いするとき「お忙しいところ恐縮です」は最後に持ってくる。最初に謝ると自分に関係ない話だから謝るんだなと思われてしまう。
・お願いするとき相手の次のアクションを明示する

・お礼をするときは具体的なことに触れる。
・お客様のお客様にアピールする

 

京セラフィロソフィ

 京セラフィロソフィ

 発売日 ‏ : 2014/6/2
☆4

京セラを立ち上げた稲盛さんの思想が書かれています。
ここ2年の僕に強い影響を与えている上司が日頃言っていることと似たことが書いてあって、やっぱりそうなんだと共感できました。
シミュレーションで全て理解しようとすると間違えるので物を実際に触る、自社にない技術が必要なものでも受注して開発することが実力UPにつながるなどなど。
一つ一つの工程を完璧にして完璧な製品を作る思想は僕に足りていないものだったので、取り入れてみようと思います。

メモ

・新しい事業の構想を語る時は頭の良い堅い人ではなく調子の良い人に。計画は悲観的な人に任せる。実行は楽観的な人に任せる。
新しいことをするときどれくらい難しいかを頭で考えてしまっては取り掛かれない。やってみないと成功もしない。楽観的で明るいだけの人に雰囲気を作らせて実際に計画を立てるときはシニカルな人に問題を列挙させる。実行は楽観的な人に任せる。
・小善と大善
部下を甘やかすようなやり方は部下をダメにしていく。本当に相手のことを考えるなら厳しくすることも必要。
・京セラは技術も設備もない状態でもできますと言って受注してきた。それが独創性につながってきた。
・売値ありきで利益が出るように原価を合わせに行く。原価から売値を決めるやり方はしない。
・売値に合わせて設計を変える。材量を叩いて買ってコストダウンでは成り立たない。
・「値決めは経営」そのプロセルの仕入れ、製造のコストダウンもトップの責任
・同じ業界なら製造原価は似てくる。広告や交際費の使い方で利益に2,3%の差がつく。
・今要る分だけ買い、在庫や金型は捨てる。(税金対策)
・利益を出すために物を大切にする。ビス1個、ナット1個の価格を知って意識し無駄にしない。
・経験則を重視する。セラミックの製造は材料の配合を頭で知っているだけではダメで実際に作ってみるといろいろな失敗がある。
・手の切れるような製品を作る。セラミックの製造はちょっとした間違いでそれまでの工程が全て無駄になる。一つ一つの工程を完璧に行い完璧な製品を作る。性能を満たせば完璧でなくても良いという思想も良くない。
・有意注意を意識する。集中せずに判断するのは失敗のもと。廊下で部下の話を聞いてあげようとしない。てきとうな判断をするのは部下のためにも良くない。

 

課長のルール

 

 発売日 ‏ : 2010/1/20
☆4

読みやすいし書かれている内容に納得できました。
僕は全体最適という言葉が大好きで、常に全体最適で考えたら自分がするべき行動は何だろう?と考えているのですが、そこに全体最適は上位の役割で下は自分が目標達成できるラインがどこかを真っ先に考えるべきという考え方を取り入れられたてとても良かったです。

メモ

・課長の役割は変化できること。育成、業績をあげる、トップの意向の促進、プレイヤーとして結果を出すなど全て大切。組織の状況に応じて役割を変える必要がある。
・管理から逃げてプレイングマネージャーや部下の育成を隠れ蓑にして現場や顧客と関わらないのはNG。
・課長の責任は決まっているが権限は拡大できる。
・課長としての責務は自分の課の業績達成。全体最適はさらに上位の管理職の役割なので、まずは自分の課の利益を考える。
例:他の課に人が3人欲しいと言われたとき「協力はするが3人ではなく1人にして欲しい。それ以上は私の課の成績の責任が取れない」と交渉する。
・部下への指示は臨機応変に。指示がころころ変わると求心力が低下するが、仕事の前提条件が変われば指示を変える必要がある。部下の不満は指示変更ではなく説明不足に対するものであることが大半なので、説明責任を果たすことがセットになる。
・部下の悪い報告を幹部にそのままスルーしない。問題を最小限で止めて部下の将来に傷がつかないようにフォローする。
・部下の話は最優先で聞く。間違っても「今忙しいんだよ」という態度は見せない
・叱るときは具体的に叱る。結果、行動に対して叱る。能力、人格、原因(〇〇しなかったなど)を責めると相手のプライドを傷つける。

フルキャリマネジメント―子育てしながら働く部下を持つマネジャーの心得

[武田 佳奈]のフルキャリマネジメント―子育てしながら働く部下を持つマネジャーの心得

発売日 ‏ : 2019/7/19

☆3

バリキャリとゆるキャリの中間で、キャリアも家庭も重視するスタイルをフルキャリと定義して論じています。
型にはめずに目の前にいる相手の状況や考え方を知ろうとすることが重要と読み取りました。

メモ

・フルキャリは「無理をしないで」と言われるのが辛い。仕事の成果を期待されていないと感じてしまうため。
仕事の負担を軽くしようとしたり、早退などを考慮して責任のある仕事を全く任せないようにすると、期待されていないと感じ、やる気を持てたはずのフルキャリ女性もやる気を維持するのが難しくなる。
・フルキャリの活躍を最大限に引き出す鍵は「仕事での成長を期待する」「仕事への意欲と取り巻く家庭の状況を共有する」「成果につながる積極的な機会付与」の3つ。
・同じ経験がないことはむしろアドバンテージになり得る。自分の人生経験がフルキャリ本人と明らかに異なれば、今置かれている状況や考えを本人に確認する必要に迫られる。身近な例に当てはめるのではなく本人のリアルな状況を率直に確認できることがアドバンテージにつながる。

最近読んだ本 二コマコス倫理学など

5/23~6/19までで読んだ本

 

二コマコス倫理学 上

時代:紀元前350年頃
著者:アリストテレス
翻訳:渡辺邦夫

上巻しか読んでいない。
上下巻合わせて900ページ近くあるが、なるほどと思う内容はあったものの例え話が多く同じような話を何度もするので、飽きてしまいなかなか読むのに苦戦した。
善のイデア自体に価値は無いとする流れと、中間が良いとする考え方は良かった。

中間性

無謀と臆病の中間にある勇敢、卑屈と傲慢の間にある矜持など褒めたたえられるものは中間に位置するとしている。
そして中間を狙うために、自分がどのような方向に向かっていく傾向があるのか考え、快楽を避けるなど中間を狙う行動をしましょうと説いている。これには納得できる。
アリストテレスプラトンの名前を何度も本に出してくるデカルトもそういえば同じようなことを言っていた。

 

モデリング工学入門

発行:1999/3/1
著者:NEDEK研究会

図書館で名前が気になって借りた。
序盤はCAD/CAMの仕組みを説明して後半はVRとかにも触れる。
計算でモデルを描画する方法なども載っていて微妙に難しかった。

 

 

この人を見よ

時代:1888年
著者:ニーチェ
翻訳:丘沢静也

アリストテレスに苦しめられたので薄い本を探していた。
タイトルがカジュアルだったので借りてみたが、最初に読むニーチェの本として適していたかというとどうなのかな?という気がする。(他の本読んだことないけど)
あれを書いた人がこんなこと書いているのかとか、この時代にこんなことを書いていたのかとか、時代背景や他の著作ありきでおもしろさを発揮するような内容なのだろうか?あんまり「他の本も読みたい!」とはなるような単独でのおもしろさは感じなかった。
自国のドイツを批判しているが拗らせてそうなっているのか実際に悪い時代なのか気になった。

 

 

職場で他人を傷つける人たち

発行:2012/6/9
著者:香山リカ

図書館で何となく読んだ。
導入だけ文章が上手くておもしろかった。
パワハラに関する本で、2012年の本だし仕方ないが、どこかで聞いた内容しか無くて全体的には退屈だった。

思ったこと

「働くこと=自己実現」と捉える
 ↓
仕事が上手くいかない、職場の人間関係が上手くいかない
 ↓
大きなダメージを受ける。生きる意味を失う。
若い人はこのパターンになりがちという話があった。

たしかにそうだと思った。
「働いて自己実現が悪い方向性だ」と思ったわけではない。
これは仕事に限らないことで、趣味でも恋人でも家族でも何でも仕事に限らず何か一つを生きがいにしようとすると陥りがちな状況だと思った。
経験則によって、人間は歳を取ると感性が変わり重要だと思うものが変わってしまうものだとおれは思う。
何か一本の柱に依存しないこと、感性の変化に合わせて力を入れる対象を変えていくこと、今力を入れているものが数年後もあると盲信しないこと。
それでも今力を入れたいものに力を入れなければいけない。
そういう考えが引き起こされた。
あと、パワハラの定義が列挙される項目があるのだが、逆にその逆に位置する推奨されるコミュニケーションの定義とは何だろうと気になった。そのうち考えようと思う。
この本にはそういう解決策の提案が無いので問題を提起して投げっぱなしに感じる。
しかし、この本を読んだおれは問題に興味を持った。投げっぱなしの問題提起本も実は価値があるのかもしれない。

 

読んだ本 方法序説ほか

方法序説、哲学の原理、世界論

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発行:2001/8/10 原著:1637年

感想

フランスの哲学者ルネ・デカルトの「方法序説」「哲学の原理」「世界論」の3作が収録されています。「方法序説」は古典のわりにすらすら読めたのですが、「哲学の原理」と「世界論」は挫折しててきとうに読み流しました。
デカルトは学生の頃の哲学の講義で出てきたので、”全てを疑う→思考する自分は確実に存在する→それを基盤に考えを進め神の存在を証明する”という手法までは習って知っていて、神の証明をした後にそれをベースに科学的な考察をしていることを知らなかったので、疑いすぎてわけがわからなくなってる人という印象を持っていました。
しかし、本を読んでみるとデカルトは科学や医療に精通し現代人の感覚からしても通用するような立派な思想を持っていることがわかりかなり印象が変わりました。


方法序説」はデカルトの物事の考え方研究の進め方が書かれ、「哲学の原理」「世界論」では研究の成果が書かれています。研究成果の方は血液に精気が宿ると考えられていたとか、真空は無く原子が動いたら動いた後に別の原子が入ってくると考えられていたとか雑学として面白そうな内容はかなり含まれているのですが、ちゃんと理解するには内容が難しいので今回は流し読みして暇だったらまた読むことにしました。
方法序説の刊行された1637年というとまだニュートン(1643-1727)はギリギリ生まれていないけど、ガリレオガリレイ(1633年に異端審問を受ける)よりは新しいくらいの年でイメージよりも科学が進んでいます。 
思ったのですが、この時代の哲学の研究をしてる人って時代背景や当時の考えを理解するために当時の科学理論を理解しないといけないし、原文を読むために古い外国語も読まないといけないしでなかなか大変そうですね。

ピックアップ

過去の本への考え方
第一部でデカルトは本を読むことを旅に例えています。けっこうその考え方に共感できました。
旅で違った国民の習慣を知ることは自身の習慣について健全な判断を下すために、自身のやり方に反することが滑稽と思わないようにするために有益。
しかし、旅に時間を費やしすぎると結局自分の国では他国者のようになってしまう。
過去に興味を持ちすぎると現代の事柄に対して無知に留まってしまう。
歴史は省略し語られる。
そしてデカルトは成年に達した瞬間、書物の学問を捨て旅行しあちこちの宮廷や軍隊を見て学んだと言っています。しかし、宮廷や軍隊でどのような経験を積んだかについては詳しく書かれていません。
これを読み僕は旅をしている自覚を持って本を読むべきと捉えました。
というのも僕はどんな本(情報)でも触れる価値はありますが読んで得られる経験の属性は異なると考えます。自分の取り込みたい情報だけ取り込むと視野が狭くなりそうなので、寄り道も積極的にすべきと考えているのですが、時間は有限なので、何かを達成するためには自分が進みたい方向に近づくことに役立つ情報を意識的に取り込み、進みたい方向でない本を読んでいるときは寄り道をしている自覚を持つべきなのではないか?ということです。

一人で組み立てられた作品の完全性
建築家が一から作った城と、古い城壁を利用した城
城下町が発展してできた町と、技師が設計した町
一つ一つが優れているわけではないが、リュクルゴスが一人で作り同一の目的に向かうスパルタの憲法
などを例に一人が仕上げた作品の完全性に多くの親方の手でできた作品は敵わないとしています。
僕も何か作るときは一人バシバシ物事を決める役割の人がいて、周りはサポートという形でないと進みも悪く出来上がったものも中途半端になると考えていて賛成です。

4つの規則
デカルトは23歳でこの理論に気づき、あらゆる問題を解く能力を手に入れたと言っています。(自称)

  1. 自身が明瞭に真と認めたもの以外受け入れない。
  2. 問題を小部分に分かつ
  3. 順序に従って導く(単純で認識しやすいものから始める)
  4. 何も見落とさなかったと確信しうるまで枚挙する

自信満々な言い回しが多くてちょっとおもしろいです。

暫定的な道徳
哲学のため全てを疑っている時もデカルトは、幸福に生活をするために暫定的なルールとして下記を守っていました。

  1. 自国の法律と習慣に服従。最も穏健な意見に従う。
  2. 自身の行動に対してきっぱりとした態度を取ること。(一貫性を持つ)
    森の真ん中で迷子になるよりは、間違った出口に着く方がマシ。これにより後悔や悔恨から脱却できる。
  3. 運命より自己を変える。
    世界より自分の欲望を変える。

2の主張に一貫性を持つべき論に対しては、僕は間違えることを前提にいつでも手のひらを返せるように準備して気楽に話していった方が楽で良いのではないかと思ったりもするのですが、そうやって過ごしている僕は軽い人間と思われているような気もするので、デカルトの言うようにきっぱりとした態度を取った方が逆に無難なのかもしれません。

 

 

ということで意外と面白くて、暇な学生の頃に読んでおきたかったなと思いました。

パンダをいくらで買いますか?

パンダをいくらで買いますか

発行:2013/8/26
著者:野口真人
1962年生まれ。京大経済学部卒→みずほ銀行外資投資銀行→株式会社プルータス・コンサルティング設立(従業員数50名、資本金3500万円、平均年齢36歳※ネットの求人参照)
グロービス経営大学院で10年以上ファイナンス基礎講座を担当。

感想

ファイナンス(金融)の特に企業価値の測定手法について書かれているのですが、初心者向けでわかりやすいのに内容が深くて凄い本でした。
今のところ僕は投資に対して、調べるのが面倒なのであんまり手を出したくないけど、人生で一度は経験しておきたいなくらいのスタンスなのですが、紹介されているファイナンス理論は物事を考えるときに汎用的に役立ちそうなものだったので読んでよかったと思います。

調査

本の内容とは関係なく調べた内容です。

MBAとは
前に読んで良いと思った「外資投資銀行のエクセル仕事術」の著者も経歴にグロービス経営大学院を書いていて何だろうと思っていましたが、日本でMBAを取れるビジネススクールのようです。
MBAというと海外で取得するもので、持ってる人というとトヨタの社長とか大企業の経営者っぽい人をイメージしていたのですが、日本でも学位は取れて毎年5000人も取得者がいるそうです。
MBAのコスト
グロービスだと学費は300万円程度、海外のMBAだと700万円〜2000万円程なので格安です。
そもそも普通の学校の学費の相場もよくわからないので、てきとうに思い浮かんだ東大と早稲田の学費を調べてみるとこんなかんじで
東大学部      4年 2,425,200
東大大学院     2年 1,353,600
早稲田学部(理系) 4年 6,236,000
早稲田大学院    2年 2,322,000
※早稲田は学部:基幹理工学部修士:機械科学で計算しました。

日本のビジネススクールは馴染みの大学の修士号よりは高いけど、経営者を目指せる社会人ならあんまり高いと思わず払えちゃいそうな価格設定になっていますね。

大学の学費について
私立大学は高いと聞きますが、調べてみるとたしかに高いですね。
一般的な2人兄弟の家庭で私立に通わせて理系の大学院まで行かせようと思うと2000万円に迫ってしまう計算です。
老後90歳までは2000万円で生活できちゃうらしいですもんね。
さらに運が悪いと留年して余計に200万円かかったり、就職できなかったりする可能性まであります。奨学金が必要になるわけですね。

ピックアップ

本の内容をピックアップ

価格の算出方法
・原価法
用意するのに何円かかったかで算出。世話代で算出すると初々しいパンダより年老いたパンダの方が高くなり適正価格を反映させない。
・取引事例比較法
類似の売買事例を参照する。株式、不動産、オークション、チューリップバブルなど実力以上にものの価格が高騰・暴落する。
・収益還元法
そのモノから生まれるキャッシュフローに基づいて価値を評価する手法。
パンダなら「パンダがいることによって増える入園料収入ーパンダの飼育コストー初期費用」がパンダから生まれるキャッシュフロー。中古車ならレンタカーとして使用したときいくら稼げるかで判断。

収益還元法(DCF法 Discounted Cash Flow)
この本では収益還元法の考え方について詳しく解説している。
収益還元法は「活きているモノ」の価値を測る。
インカムゲイン:家賃のように定期的に入ってくるお金
・キャプタルゲイン:資産の値上がりによって入ってくるお金
収益還元法はインカムゲインを対象とする。
下記の3つが分かれば計算できる。
キャッシュフローの金額(Amount)
金利(割引率)(Rate)
キャッシュフローが発生する時期(Time)

割引現在価値
未来で発生する収益は利率を計算し現在価値に換算する。
金利1%だとしたら1年後にもらえる100万円は割引現在価値約99万円。

金利(割引率)
ファイナンスの世界では、国債金利をリスクフリーレートと呼び、一番リスクの無い金利と定義する。それよりどれだけリスクが高いかで金融商品金利は決まる。国債より高い分の金利をリスクプレミアムと呼ぶ。
パンダは寿命や人気のアップダウンなどリスクが高い。著者は経験則から10%程度のリスクプレミアムになると判断している。しかしこれが数%変わるだけで現在価値が大きく変わるので、何%に設定するかが計算で一番難しい部分。

永久年金型キャッシュフローの現在価値
現在価値=毎年のキャッシュフロー÷割引率
で求められる。証明は本に記載されているが省略。
・年金型キャッシュフロー
キャッシュフローには一定期間キャッシュフローが続く。リース料、債券の利子など
・永久年金型キャッシュフロー
ほぼ永久に続くキャッシュフロー。マンション収入など。(何十年も先のキャッシュフローは割り引かれて0に近づくのでマンションも永久と見なして計算しても問題無い)

企業価値の算定
営業利益に着目する。経常利益(特別利益や特別損失を含んだ利益)は考慮に入れない。

フリーキャッシュフロー
企業の投資活動(材料調達や設備導入)の総額と売り上げの総額を差し引きしたもの。
ただし税金がかかる。
・FCF(フリーキャッシュフロー)=営業利益×(1-税率)
ここから企業価値を見積もる。
企業のフリーキャッシュフローは株主や債権者に還元する必要がある。
しかし、フリーキャッシュフローを投資に回すことで投資額以上のキャッシュフローが手に入ることを期待し、株主は目先のキャッシュフローを減らして投資することを容認する。
ちなみに2019年の日本の法人税率は23.4%らしいです。世界的に引き下げ傾向にあり平成元年に40%だったところからどんどん下がっています。日本はOECD経済協力開発機構)加盟国の中で高い順で14位。アメリカは35%で1位だったところからトランプ政権で2018年頃21%にしたそうです。日本もここ10年内にアベノミクスで下げたらしく、全然意識してなかったけど最近めちゃめちゃ変わってるんですね。

運転資本(ワーキングキャピタル)

売掛金や在庫から買い掛け金を除いたもの」
売掛金が少なく、買い掛け金が多いほど都合が良い。
大きすぎると黒字倒産する。

投資のリスク
危険度合いではなく不確実性を意味する。少々期待リターンが大きくてもリスクが大きいとものの価値は下がる。

ROD(リターンオンデッド)、ROE(リターンオンエクイティ)
・RODは債権者の求める金利
ROEは出資者(株主)の求める金利
株主は投資したお金を返すように要求できないため、より大きなリターンを求めRODよりROEが高くなる。

WACC(加重平均資本コスト)
口座のお金について、どのお金は銀行から借りたお金でどのお金は株主から集めたお金でと分けて考えることはできない。そのためRODとROEを金額にの割合に応じて平均した値WACCが使われる。
WACC=ROD×(1-税率)×負債の割合+ROE×株主資本の割合
RODに税率をかけるのは、企業は金利を費用として計上できるため。

MM理論
資産2000億円、営業利益200億円の企業が2つあり、A社は100%株主資本、B社は50%株主資本(銀行の金利は3%)とし税金を無視すると、
A社は200億円の利益を2000億円分の株主に分け、B社は金利を差し引いた170億円を1000億円分の株主に分けることになるので、借金を多くしているB社の方がROEが高くなってしまう。
ただし利益が減っても金利は払う必要があるため、利益が60億円を切るとROEが逆転する。
借金をするとレバレッジを利かせた状態になる。
さらに、税金も考慮するとB社は30億円分の節税もできている。

投資の判断基準
投資によって得られるキャッシュフローの現在価値が投資額を上回るのなら投資すべき。この考え方はNPV法(Net Present Value=正味現在価値)と呼ぶ。
ただし割引率など変数が少し変わるだけで現在価値は変わってしまうので、楽観シナリオ、悲観シナリオを想定したり、感度分析を行ったりして判断する。

継続価値
6年かけて事業が拡大し6年目からフリーキャッシュフローが一定になるモデルを考えるなら、6年目で事業を売却する前提で計算可能。

 

参照

「値引きして売れるなら捨てるよりマシ」は本当か?

「値引きして売れるなら捨てるよりマシ」は本当か?

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発行:2010/6/10
著者:古谷文太
1965年生まれ。株式会社百家堂社長(著者が立ち上げた、コンバージョンEVなど車関連の事業を行なっている会社のようです。会社のHPは今見たら無くなってました・・・。)米国公認会計士。技術経営学修士早稲田大学

コンバージョンEVについて全く知らなかったのでネットで調べてみると、ガソリン車のエンジンとガソリンタンクをモーターと電池に置き換えてEV化した車を指すらしいです。
見た目のかっこいいヴィンテージカーをEV化すれば、動力以外はそのままに修理用の部品が入手困難だとか最新の車より燃費が悪いだとかの問題を解決できるのでなかなかおもしろそうだと思いました。

感想

タイトルを見てコンビニが売れ残った食品を値下げせず廃棄しているように、安易に安売りしない方が値下げを待たれなかったりブランド価値が下がらなくて良いみたいな話なのかな?と思って読んでみたらそういう話ではありませんでした()
※コンビニの廃棄についても触れられています。

※ちなみにコンビニで売れ残りを廃棄する理由もよく知らないので調べてみたところ、フランチャイズ元とコンビニオーナーで利益を分割するときに廃棄を原価に含めない仕組みになっていて値下げより廃棄してもらった方がフランチャイズ元が設かるようになっているらしいです。そっちも思っていたような理由だけの単純な話では無いようです。

news.yahoo.co.jp

読んで驚いたのですがこの本は小説形式になっていて、アパレルメーカーの経営企画室に所属する主人公が先輩から教わったこんな表↓を使ってお金に関する難しい判断を単純化して解決していく物語を通して、損得を考えて経営判断する手法を学べます。

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過去に払った費用は考慮しないとか固定費と変動費に分けて考えるとか基本にかなりページ数を使っているので、他にこの手の本を読んだことがあると簡単すぎる印象になってしまうかもしれませんが、伝える内容を絞ってカジュアルに読んでもだいたいわかるように構成されていて、読むべき人には良い本だと思いました。
ここらへんの概念はあまり意識できていなかったので意識してみようと思います。
・投資の寿命
耐用限界や技術の陳腐化で投資し直さなければならない時期を考慮
・割引計算
期間の長い投資を考えるときは金利の関係で現在の100万円>未来の100万円であることを考慮
・感度分析

「疲れない」が毎日続く! 休み方マネジメント

「疲れない」が毎日続く! 休み方マネジメント

発行:2019/12/20
著書:菅原洋平
1978年生まれ。作業療法士。ユークロニア株式会社設立(著者がコンサルタントとして活動するための会社?)
べスリクリニック(千代田のクリニック。薬に頼らないメンタルクリニック。)で外来を担当。

感想

脳の負担を減らすことに重点を置いて、上手く休息して活動的に過ごす方法を紹介してくれる本です。
僕は元々かなり乱れた生活をしていたのですが、せっかく読んだし数週間は意識して生活に取り入れてみるか〜という気分になっています。

ピックアップ

脳を燃費の悪い内臓と捉える
情報を入れすぎたら消化する時間を与える。

習慣
新しい行動の企画には脳でエネルギーを消費するため、節約のため習慣を作る。

メラトニン
窓から1m以内に10分いるとメラトニン(睡眠を安定させる作用がある物質)の分泌がストップする。外なら1分で整う。
行動の抑制
「今はやらない」と思い浮かんだ課題を抑制するだけで脳は疲労する。
対策として
・1つ仕事を終えたら次にやることに少し手をつける。
・「〜しなきゃ」ではなく「〜する」と呟くようにする
・ToDoリストを机に置かない。
・付箋をディスプレイに貼らない。
今まで付箋けっこう貼るタイプだったのですが、作業中関係無いものが目に入るだけで疲労するそうなので気をつけます。
やることリストよりやったことリストを作る
些細な行動の記憶から自分の行動が目指すべき方向に合っているかがわかる。
記憶同士を結び合わせる”行動タグ”の働きを活かすという話の流れで出てきます。
ちなみに行動タグの話はいまいち理解してできませんでした。

2つの作業場所を作る
作業中に別のことを考え始めたら別の席に移動する。
授業中自分の席に座っていられない注意欠陥・多動性障害の子に席を2つ用意したところ、授業中に他の場所にいかずにどちらかの席に座っていられるようになったという事例を紹介しています。これはけっこう納得しています。

集中とひらめき
集中するには余分な刺激がない方がいい。しかし、アイディアがひらめく時は集中している時ではない。

予測できる状況と偶然の出来事が半々くらいの環境が最適な仕事環境。
脳はあらかじめ予測した出来事には反応しないようにしている。(順化と呼ぶ)
予測が外れると普段順化によって抑えられていた反動で大きくエネルギーを使う。(脱順化と呼ぶ)
メタ認知で脱順化するとテンションが上がるものだと認識していれば、テンションが上がった時に思い浮かんだことが必ずしも重要でないと自分を制御できる。

起床時間を揃える
就寝時間を揃えようとすると、累計睡眠時間が減少する。例えば0:00に寝ると決めると、23:45に一通りやることが片付いたとき、あと15分あるからと起きていてしまいがち。起床時間が揃っていれば同じ時間に眠くなるので、自然と就寝時間も揃う。
就寝時間はバラバラで起床時間が揃っている状態が理想。
遅く寝て睡眠不足になった時は、夕方に寝ないようにして翌日の睡眠の質を高めるのに利用する。
寝る時間も起きる時間も揃えるよりはかなりやりやすそうなので試してみようと思います。

寝つきが早すぎるのは慢性的な睡眠不足の兆候と捉える
大脳は目を閉じてから眠るのに10分かかる構造。いつもすぐ眠れるのは睡眠不足が続いているから。

実際に起きた時間に目覚ましをかける
実際に起きた時間に目覚ましをかけ、自己覚醒法(その時間に起きると意識して眠る自己覚醒できる)を試みると少し早く起きれる。これを繰り返して少しずつ目当ての起床時間に近づけていく。
自分が何時におきたいという希望ではなく、実際に脳が睡眠という作業を終えて目覚めの作業ができた時間に合わせると目覚めが早くなる。

これから

とりあえずGWの間は起床時間を統一して夕方寝ない生活を試してみます。
家族が6時に起きるので、GWは6時に起きてみて仕事が始まったら8時起床にしようかなと思います。
この本では「起床から数時間は最も集中できる時間帯なので、メール対応なんて後手の仕事で取らずに早めに働き始めよう」とも言っていてそれとは逆行するのですが・・・。
しかし、会社に9時以降到着するように出社すると僕の場合はいろいろ都合が良いのです。
定時より早い時間に出社すると通勤する道が混んでたり、会社の食堂の時間が決まっていて早く来たら残業しないと夕ご飯を食べれなかったり、周りが遅くまで残業していて早く出社しても早く帰りづらかったり。
他の人より早く出社して仕事を始めると集中しやすいのはめちゃめちゃわかるので悩ましいところですが・・・。
そう考えると、7時か6時に起床して家で集中して何か一仕事して9時出社するのが賢いのかもしれません。これでいってみましょう。

外資系投資銀行のエクセル仕事術

外資系投資銀行のエクセル仕事術

[熊野 整]の外資系投資銀行のエクセル仕事術

発行:2015/2/19

著者:熊野 整
15歳前後上(?)
ボストン大学モルガン・スタンレー証券投資銀行本部(2004~2009)→MBA→エクセルセミナー・研修講師(2013~)→スマートニュース株式会社

感想

読んで良かったですし、もっと早く読みたかったです。
投資銀行流のエクセルの正しいフォーマットはこれです」と、どんなフォーマットが見やすいフォーマットなのか定義してくれる本です。
僕は今まで、何の指針もなくエクセルを触って、「う~んしっくりこないな~」と悩みながら毎回独自の異なるフォーマットで表を作り、全く納得のいかないエクセル表を量産していたので、指針を定めてくれたことにとても感謝しています。
カードゲームで例えると、素人が闇雲にデッキを組み始めるよりは、強いデッキの型を学んで、それをベースにオリジナリティを出していく方が車輪の再発明をせずに済むので、断然時間がかからないしデッキのクオリティも高くなるのと同じです。型を知っていた方が有利なのはカードゲームでもよくあることです。
それと同じで見やすいエクセル表とはどんなものなのか、これを読んで学べば闇雲にエクセル表を作るよりは遥かに効率が上がります。

自分の場合
僕がエクセルでよく計算するのは、部品の干渉関係や簡単な電気的計算、試験データの集計、私生活の家計簿でこの本で紹介している収益計算とは少々毛色が違うのですが、それでもこの本に書いてあるほとんどのルールはそういった計算にも役立つものでした。
・フォントを固定する
・行の高さを18に固定する
・計算とベタ打ちの値で色を変える
・計算をできるだけ簡単にする
・罫線は縦線を引かず、要所にのみ横線を入れる
・文字を全て揃えれば縦罫線不要
・背景を白にする
・強調はセルの色で行う
・項目によって列変えて関係性をわかりやすくする
・左→右の流れを意識し、結果を左に持ってこない
・B2から始める
・計算内にベタ打ちの数字を入れない
・複雑な計算はシートの構成図を作る
・ファイルは1つにまとめて、バックアップをoldフォルダに入れて更新していく
パワポに表を貼り付けるときは画像として貼り付けるとか
・計算よりチェックに時間をかける
・計算は一人で行う
何が正しいんだろうと悩んでいた問題に解答を出してくれています。

ショートカットを覚える

あと、使用用途に合ったショートカットを覚えることをおすすめしていて、僕もそろそろ今まで全く使えていなかったAlt系のショートカットを覚えていこうと思いました。
昔、上司にも「CADをやるときはまずマニュアルを全部見て何ができるか把握してそれから作業しろ!一生できるテクニックだけで作業するから小さくまとまってしまうぞ」というニュアンスのアドバイスを受け、たしかに~と思いつつ仕事に追われ結局アドバイスに反してできるテクニックだけで作業してしまっているのですが、エクセルのショートカットも同じですよね。
一度関係しそうな機能は全把握してマスターしないと、一生ちょっとずつ時間を無駄にしていくことになりますよね。