5/23~6/19までで読んだ本
二コマコス倫理学 上
時代:紀元前350年頃
著者:アリストテレス
翻訳:渡辺邦夫
上巻しか読んでいない。
上下巻合わせて900ページ近くあるが、なるほどと思う内容はあったものの例え話が多く同じような話を何度もするので、飽きてしまいなかなか読むのに苦戦した。
善のイデア自体に価値は無いとする流れと、中間が良いとする考え方は良かった。
中間性
無謀と臆病の中間にある勇敢、卑屈と傲慢の間にある矜持など褒めたたえられるものは中間に位置するとしている。
そして中間を狙うために、自分がどのような方向に向かっていく傾向があるのか考え、快楽を避けるなど中間を狙う行動をしましょうと説いている。これには納得できる。
アリストテレスとプラトンの名前を何度も本に出してくるデカルトもそういえば同じようなことを言っていた。
モデリング工学入門
発行:1999/3/1
著者:NEDEK研究会
図書館で名前が気になって借りた。
序盤はCAD/CAMの仕組みを説明して後半はVRとかにも触れる。
計算でモデルを描画する方法なども載っていて微妙に難しかった。
この人を見よ
アリストテレスに苦しめられたので薄い本を探していた。
タイトルがカジュアルだったので借りてみたが、最初に読むニーチェの本として適していたかというとどうなのかな?という気がする。(他の本読んだことないけど)
あれを書いた人がこんなこと書いているのかとか、この時代にこんなことを書いていたのかとか、時代背景や他の著作ありきでおもしろさを発揮するような内容なのだろうか?あんまり「他の本も読みたい!」とはなるような単独でのおもしろさは感じなかった。
自国のドイツを批判しているが拗らせてそうなっているのか実際に悪い時代なのか気になった。
職場で他人を傷つける人たち
発行:2012/6/9
著者:香山リカ
図書館で何となく読んだ。
導入だけ文章が上手くておもしろかった。
パワハラに関する本で、2012年の本だし仕方ないが、どこかで聞いた内容しか無くて全体的には退屈だった。
思ったこと
「働くこと=自己実現」と捉える
↓
仕事が上手くいかない、職場の人間関係が上手くいかない
↓
大きなダメージを受ける。生きる意味を失う。
若い人はこのパターンになりがちという話があった。
たしかにそうだと思った。
「働いて自己実現が悪い方向性だ」と思ったわけではない。
これは仕事に限らないことで、趣味でも恋人でも家族でも何でも仕事に限らず何か一つを生きがいにしようとすると陥りがちな状況だと思った。
経験則によって、人間は歳を取ると感性が変わり重要だと思うものが変わってしまうものだとおれは思う。
何か一本の柱に依存しないこと、感性の変化に合わせて力を入れる対象を変えていくこと、今力を入れているものが数年後もあると盲信しないこと。
それでも今力を入れたいものに力を入れなければいけない。
そういう考えが引き起こされた。
あと、パワハラの定義が列挙される項目があるのだが、逆にその逆に位置する推奨されるコミュニケーションの定義とは何だろうと気になった。そのうち考えようと思う。
この本にはそういう解決策の提案が無いので問題を提起して投げっぱなしに感じる。
しかし、この本を読んだおれは問題に興味を持った。投げっぱなしの問題提起本も実は価値があるのかもしれない。